症状について

うつ病

うつ病

憂うつな気分、自分を責める、楽しめない、眠れない、食欲減退(体重減少)、集中力低下、消えてしまいたい気持ち、死について考えてしまう、急に涙が出てくる

  • うつ病の患者さんは年々増加しており、私たちにとって身近な疾患となってきました。気分の落ち込みや興味・喜びの喪失がほぼ1日中、2週間以上続き日常生活に支障が出てきてしまう状態がうつ病と言われています。精神的な不調の他に身体の倦怠感や動悸など身体症状を伴う場合もあります。

パニック症、パニック障害

パニック症、パニック障害

動悸がする、過呼吸、息苦しい、めまいがする、手足が震える、発汗、胸の不快感、吐き気死ぬのではないかという恐怖感、また起こってしまうのではないか不安になる

  • パニック症は、何の前触れもなく突然激しい呼吸困難、動悸、めまいなどが起こる「パニック発作」と、発作に対する恐怖や不安が頭から離れなくなる「予期不安」の2つの状態があることです。また80%以上の方には発作が起こりそうな場所や状況を避ける「広場恐怖」を伴います。

発達障害(ADHD等)

発達障害(ADHD等)

コミュニケーションが苦手、こだわりが強い、ケアレスミスが多い、落ち着かない、約束を忘れてしまう、忘れ物が多い、衝動的に行動してしまう、提出期限が守れない

  • 発達障害の代表的なものとしては「自閉スペクトラム症」「限局性学習障害」「ADHD(注意欠陥多動性障害)」などがあります。発達障害とは生まれ持った発達上の個性が日常生活で支障を起こしている状態です。職場や学校、日常生活が上手くいかないことで二次的にうつ病を引き起こすケースもあります。発達障害は親のせいであったり、本人が怠けていると非難や誤解に思われがちですが、本人や家族のせいではなく脳の発達特性によるものと考えられています。特性を理解し適切に対応する事で状況を改善していく事が可能です。

全般性不安障害

全般性不安障害

絶えず心配な状態が続く、過度に不安な状態、漠然とした不安感、緊張感、落ち着きのなさ、不安に感じ過ぎていることで日常生活に支障が出ている

  • 全般性不安障害は日常的にある不安や心配な状態が過剰に何日も続いてしまい、日常生活に支障が出てしまいます。不安や心配の対象例として家庭環境、学業、金銭面、健康面などが挙げられます。

統合失調症

統合失調症

幻聴(誰かの声が聴こえる)、妄想(嫌がらせをされる、悪口を言われる気がする)、無口で閉じこもる生活、支離滅裂な言動、意欲の減退、喜怒哀楽などの感情表現の減退

  • 統合失調症の症状は大きく分けて3つあり、幻覚や妄想などの「陽性症状」と意欲が低下し、感情表現が乏しく、他の人の気持ちを共感し辛くなる「陰性症状」と記憶力・注意力・判断力が低下する「認知機能障害」があります。

躁うつ病(双極性障害)

躁うつ病(双極性障害)

躁状態(テンションが高い、寝なくても平気、お金を使いまくる、喋り出したら止まらない、自信満々になる、行動的になる、考えが次々に浮かぶ、注意力が散漫になる)躁とうつを繰り返す

  • 躁うつ病は「躁状態」または「軽躁状態」と「うつ状態」を繰り返す精神疾患で、気分障害に分類されます。躁状態では気分が高揚し、怒りっぽくなったり、開放的になったり、やる気に満ちた状態が1日の大半で見られます。軽躁状態では躁状態と同じ症状が社会生活に支障を来たさない程度に出現する状態を指します。躁状態・軽躁状態の後、うつ状態が出現しこれを繰り返す疾患です。

強迫性障害

強迫性障害

鍵をかけたか何回も確認する、火を消したか何回も確認する、何度も手を洗う、何度も消毒する、数時間シャワーを浴びる

  • 生活上の様々なことで不安感を持ち、それが不合理でバカバカしいと分かりながらも過度に捉われ、その不安を解消する行為を過剰に行い日常生活に支障が出てしまう疾患です。不潔や感染、誰かに迷惑を掛けていないかなど繰り返し頭に浮かぶ「強迫観念」と不安に対して過剰な手洗いや入浴・消毒行為、確認行為と云った「強迫行為」が症状に現れます。

適応障害

適応障害

学校や職場などのストレスで調子を崩す、動悸、涙が出る、吐き気、不眠、不安感、気分の落ち込み、朝起きることが辛い、学校や会社へ行くのが辛い

  • 生活の中で生じる様々なストレスに上手く対処することができず、気分の落ち込みや不安感が現れ日常生活に支障を来たす疾患です。家庭や学校、職場での環境の変化や人間関係の悪化、災害、親しい人との離別、自身の健康問題などに誘因されることがあります。ストレスの原因となっているものが取り除かれると改善されることが多いです。

社交不安障害

社交不安障害

対人恐怖、人前で話すのが苦手、電話で声が震える、人前で食事ができない、人前で字を書こうとすると手が震える、上記のことが原因でその場所へ行く事を避ける

  • 他人との関わりの中で過度に緊張や不安を感じ、自分の意見を上手く表現できない状態になります。学校や職場において人前で発表する場に立つ又はその状況を想像するだけで冷や汗、手の震え、顔の紅潮がみられます。誰しも似た経験はあると思いますが、社交不安障害の場合は雑談や会食と云った日常生活の場でも症状が見られます。次第に症状が起こる事が予想される場所を避けるようになり、人との関わりも希薄になり社会生活で孤立してしまう恐れがあります。

不眠症

不眠症

寝つきが悪い、途中で目が覚める、朝早くに目が覚める、日中に眠い、途中で目が覚めてその後眠れない、熟睡感が得られない

  • 睡眠時間は人それぞれですが、不眠症は睡眠の質が低下し、仕事や学業などの日常生活に支障が生じている状態を指します。不眠症と言っても、寝つきが悪い「入眠困難」や途中で目が覚める「中途覚醒」、朝早くに目が覚めてしまう「早朝覚醒」、途中何度も目が覚めてしまう「睡眠維持困難」、熟睡感が得られない「熟眠障害」などの症状が挙げられます。不眠症が持続することで記憶力・集中力の低下、情緒の不安定が現れ日中のパフォーマンス低下を引き起こします。

身体表現性障害

身体表現性障害

体の痛み・しびれ・胃腸症状などがあるのに検査をしても異常がない、検査しても異常がない身体症状が原因で仕事を休むなど日常生活に支障が出ている

  • 身体表現性障害は身体的な症状で検査をしても見合った所見がなく、その症状に伴う苦痛、不安によって日常生活に支障が出ている状態を指します。身体症状の種類は多彩ですが、体の痛み、しびれ、胃腸症状、めまい、動悸などが多いです。
    ストレスが原因で胃潰瘍や喘息などはっきりと診断名がついているものは心身症と呼ばれ、身体表現性障害とは異なります。

周産期うつ病

周産期うつ病

女性ホルモンのバランスが崩れ出産前や出産後にうつ状態になる
うつ状態:寝つきが悪く深夜や早朝に目が覚める、食欲がなく痩せる、気分が憂うつ、イライラする、疲労感、感情の起伏が大きい、集中力低下など

  • 女性が出産前後にうつ状態になる疾患です。女性ホルモンのバランスが崩れ症状が出現すると考えられています。強い不安、パニック発作、涙が出る、不眠、赤ちゃんに対して興味が持てずそのことに対して自分を責めることがあります。子育てに対しても悲観的になり、死にたい気持ちが出てくることもあります。

治療について

精神療法、薬物療法、休養(必要に応じて診断書を作成します)、心理療法(カウンセリング)、デイケア通所、精神科訪問看護など。また利用できる制度を活用し安心して治療を受けられるように、医師、専門職スタッフが支援していきます。